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RICOH THETA がカメラ史上最も革新的なデバイスである理由


THETA SのAPI公開が熱い

初代THETAは発売当初から、Mobile Hackerzの管理人様によりその通信プロトコルが解析され、ユーザ(※ただしプログラマに限る)が自由に制御できることが知られていました。
さらに、最新のTHETA Sでは、GoogleのOpen Spherical Camera APIをベースとした、よりユーザフレンドリーなAPI (RICOH THETA API v2)が実装・公開され、ユーザの間ではTHETA用アプリ開発が俄かに盛り上がってきています。
APIのオープン化によりカメラとして異例の進化を遂げるTHETAですが、ふとしたきっかけでTHETAはカメラとしてもっと本質的なところで従来のカメラとは異なっており、カメラ史上、最も革新的なデバイスなのではという想いに至りました。

THETAがカメラ史上最も革新的なデバイスである理由

まずは下記のpodcastラジオを聞いてほしい。
3:20 ~  にかけてFlickrのVR対応からRICOH THETAの話が展開されている。
11:00~ 写真って2つあるじゃないですか、その場を記憶に残すためのスナップと、ほんとに自分で趣味で作品としてとりたい写真と、~中略~、スナップとしてこの状況を記憶にしたいという写真に対してはもう、絶対THETAで撮るべき。~中略~、空間をザクッと切り取ってアーカイブしてくれる感覚は従来のカメラでは無理。
この話を少し補足すると、THETAを絶賛する話し手はカメラマンではないし、カメラマニアでもない(自分の把握している限り)。ここでは、カメラマニアではない一般の人にとって、THETAがスナップショットをとるカメラとしていかに便利かが認識されている点には着目せざるをえない。

カメラマニアが語る『このカメラは凄い』は、所詮マニアックな問題でしかなくマーケットへのインパクトは極めて限定的だが、一般の人が『このカメラは凄い』と認識したという事実は新規のマーケットを開拓している可能性が高く、マーケットインパクトが極めて大きいと考えられる。

俺は確信したね。THETAは、写真を撮るカメラとして新たな地平線を開いた。そう言っても過言ではないと。

最初に

以下において誤解が生じないよう、この記事における『記録写真』のおおまかな定義について補足説明する。
カメラで撮影される写真を、その場の状況を記録したいという目的で撮られる記録としての写真(以下、これを便宜上『記録写真』と呼ぶ。)と、撮影者の自己表現の手段(作品)としての写真との2つに分けて考えています。

以下では、この『記録写真』を撮るデバイスとしてのTHETAについて語っています。作品撮りに使うカメラとしての側面についてはノーコメントですので、その点ご了承のほどよろしくお願いします。

従来のカメラとTHETAの違い

従来のカメラでは、記録写真を撮る場合であっても
  • ピント合わせ
  • 構図の決定
の2つの要素が必要となります。(※ パンフォーカスなレンズを備えたカメラではピント合わせについては実質的に必要ない場合もありますが、説明の便宜上必要としています。)

大ざっぱには、「ピント合わせ」は、撮影者が『何を』撮りたいかという撮影者の意図を、「構図の決定」は、撮りたいと考えたモノを『どう見せたいか』という撮影者の意図を、表します。この2つの要素は、撮影者の意図、すなわち撮影者の自己表現に直結するものであり、作品としての写真を撮るにあたっては極めて重要となります。

しかしながら、これらの要素はまさに撮影者の主観的なものであるがゆえに、ただその場を記録したい、言い換えれば客観的にその場を撮りたいという目的の記録写真においては、相見えるものでなく、本質的には必要悪な要素であると言えます。

この点、THETAにおいては、ほぼパンフォーカス(=ピント合わせ不要)、かつ、全天球映像(=構図が存在しない)という仕様であり、ピント合わせや構図といった主観的な要素を徹底的に廃して、ただひたすらに客観的に見えるものを見たままに撮ることを可能にしています。すなわち、THETA
は本当の意味で、撮影者が目の前に見えるものを見たままに『記録写真』を撮ることができるカメラといえます。

すなわち、THETAは、撮影した写真には主観的な要素が入り込まざるを得ない従来のカメラの概念を破壊し、客観的視点に徹した新たなカメラの概念を作り出したと言えます。

これこそが、THETAを『カメラ史上最も革新的なデバイスである』と評するに値する所以です。

いささか余談になりますが、THETAのキャッチコピーは、「Your world is not flat」( コロンブスの「The world is not flat」のパロディ)で実に面白いなと思ったのですが、今また改めて考えてみると、新たな地平線を開いたTHETAにまさにピッタリのキャッチコピーだなと、感心する次第です。

Appendix:ライトフィールドカメラは次世代足り得ないのか?

カメラの次世代は、既存技術の組み合わせからなるTHETAではなく、新技術を用いたライトフィールドカメラではないのか?』という幻聴が聞こえてきそうなので、ライトフィールドカメラに関して私感を述べておきます。

近年、Lytroのように、撮影後にピント合わせを可能としたライトフィールドカメラが販売されています。また、従来のカメラでは実現不可能であった『撮影現場におけるピント合わせを不要とする』という特性から、次世代のカメラとして喧伝されていることもあります。

しかしながら、ライトフィールドカメラは単にピント合わせを撮影現場で行う必要から開放するのみで、撮影写真を鑑賞するには、撮影後に撮影者もしくは鑑賞者がピント合わせを行う必要があります。すなわち、写真におけるピント合わせや構図といった従来の概念を継承しています。

このライトフィールドカメラが持ち込んだ新たな価値は、従来、撮影現場で行う必要があったピント合わせという作業を、撮影後に行えるようにしたことです。言い換えれば、最終的な鑑賞物である写真をアウトプットするまでのワークフローを変化させたことにあります。

このことに価値があるのはもちろんですが、記録写真を撮影するというコンテキストにおいては、ライトフィールドカメラは、依然ピント合わせや構図といった従来の概念に縛られたままであり、次世代というには片手落ちではないか考えます。

最後に:THETA礼賛

この点、そもそも構図やピント合わせを不要とし、その概念自体を写真から取っ払ってしまったTHETAに歩があります。

THETAを構成するパンフォーカスのカメラユニットも、全天球映像もどちらも古くから存在する要素技術ですが、この2つを組み合わせワンショットで撮影可能としたことで、新たな地平線が開けたというのは、まさにコロンブスの卵的発想であり、実に見事だなと思わざるを得ません。

製品に用いられる要素技術の新しさは必ずしも次世代を形作るわけではなく、製品の根底に流れる設計思想こそが次世代を実現するのだと、そんなことを想うのでした。

既存技術の使い方次第で新たな設計思想を体現してしまうRICOHの技術力と枠に囚われない自由な発想力には感嘆せざるを得ません。

RICOH THETA S、あなたも1ついかがでしょうか。




ちなみに私は持ってません _(:3 」∠)_