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Apo-Nikkor 760mm F11 は人類には早すぎたレンズ ~超高解像力のモンスター~


これまでの経緯

stonemute (@hosigarasu)氏のツイート
に返信し、頂いたApo-Nikkor 760mm F11後期型。

簡単に紹介すると、写真製版用の特殊レンズ(いわゆる、産業用レンズ)です。その性能の高さから、ニコンから公式に、大判カメラ向けにも販売されていたそうです。

ふつうのカメラ用レンズは、可視光域において色収差が出ないように設計されます。
一方、このApo-Nikkor の場合、可視広域に加えて、赤外線領域まで考慮して、色収差を消すように設計されているとかいないとか。写真に写らない赤外線領域の色収差がないからと言って、何がどう変わる、というわけではありませんが、なんかトンデモナク高性能っぽいですよね!気分的に!

レンズの紹介はさておき、レンズのスペック(仕様)を手探りで調べたり、筐体の机上設計をしてみたりしているうちに、なんやかんやで2年間かかって、先日、ようやく筐体を作るところにまで辿り着きました。

入手当時、PENTAX Qに取り付ける予定だったのが、気付けば手元の機種は、Q-S1に。時間の流れとは早いものですねぇ…。

プロトタイプを作って気付いたこと

前回、バックフォーカスに合わせて鏡筒の最短長さ(光軸方向)を決定し、200mmほどのピント調整幅をもたせたプロトタイプを作成しました。

で、無限遠での撮影ができることを確認できたので、外に持ち出して近距離撮影しようとしたところ…

どうやってもピントが合わねぇ。

いや、普通の産業用レンズなら、バックフォーカスがわかれば、あとは適当に余裕をもったヘリコイドなり、なんなりを用意すれば、それで十分なのですが…。なんせ合わない。

今回、200mmも光軸方向に調整幅に余裕あんのよ?
20cmだよ、20cm!
20cmも動かせるのに、なんでピント合わないのさ!

と、不満を爆発させたいところですが、爆発しても仕方ないので、改めて撮影距離を短くしていき、各距離でのバックフォーカスを調べてみました。

IMGP6310.jpg

レンズ手前 3mのとこにピントを置くためには、バックフォーカスが 900mmほど必要でした。

長い、長すぎる…。

ヤバすぎる解像力

そんなちょっと難ありなApo-Nikkorですが、解像力はハンパなかった。
PENTAX Q-S1との組み合わせで、3m先のスマホを撮ってみたのが以下の写真。

Apo-Nikkor 760mm Test
トリミングなし (Apo-Nikkor 760mm with Q-S1)
正直、おっさん、このレンズのこと舐めてました。まぁなんだかんだ言っても撮影用じゃないしなぁ、って。

サブ画素まで解像

上記写真をトリミング (クリックで等倍表示)

4、50年前のレンズとは思えない性能ですね。いや、もうマジでなんやこれ。チートすぎる。てきとうに撮ってこの性能なので、ギリギリまでピント追い込んで、ちゃんと結像させてみたくなるってもんですね。

Apo-Nikkor 760mmの扱いに関して

性能はさておき、以上より、Apo-Nikkor 760mmをふつうの撮影に扱うためには、以下の点に気をつけて鏡筒を作れば良さそうです。
  • 1m程度の鏡筒が必要。
  • ピント調整機構は光軸方向に、300mm程度の幅が必要。
  • レンズだけで1.3kgを越えるので、フロントヘビーになるのは必至。
  • 鏡筒は、1mの長さを実現しつつ、それを支えるだけの強度が必要。
ちょっと何言ってるのかわからないです。ハイ。

既にプロトタイプの段階で手持ちでの撮影は限界だってのに、まだ重く大きくなるんかい!という。

また、スペックシートによれば、基準倍率が1/10 ~ 1倍となっているので、本来のレンズの性能を発揮するためにはさらに長くする必要があるかもしれません。(未確認)

焦点距離が長いとハンドリングが難しくなるのは、鳥を撮影されている方の間では周知の事実かと思われますが、長焦点であるにとどまらず、レンズの口径・サイズの大きすぎるApo-Nikkorは、なかなかに茨の道です。

Apo-Nikkor 760mm作例

Apo-Nikkor 760mm Test
マヨネーズ
Apo-Nikkor 760mm Test
トマトのおもちゃ
Apo-Nikkor 760mm Test
エンゲージリング