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世界でいちばん濃ゆい Pentax K-1 レビュー P.23 ビデオ撮影モード


以下の記事は、PentaxForumsによる

P.23 "Video Mode"の抄訳となります。

原文の紹介や、他ページの抄訳については下記ページにまとめています。

blog.lovepenta.xyz

このページの目次

23. Video Mode (ビデオ撮影モード)

Pentax K-1 は、間違いなく静止画撮影を最優先事項として、写真に特化したカメラとして設計されている。そのため、ひっそりと目立たないようにビデオ撮影モードを備えている。とはいえ、このビデオ撮影モードは、今までに発売されたPentaxのカメラの中で最も使い勝手の良いモノとなっている。人によっては、その差は極めて僅かかもしれないが。

設定ダイヤルの下部に小さなスイッチが設けられており、これをビデオ撮影モードの方に押すと、即座にライブビューが有効になり、各種のビデオ設定が可能となる。

ビデオスイッチの位置を示す写真 (原文を参照のこと)

ビデオ撮影モードに関するスペック

K-1は、H.264コーデックを使った .MOVファイル形式で動画を撮影できる。その他のファイルフォーマットには対応せず、また動画クオリティの変更もできない。撮影動画ファイルは、4GBまでというファイルサイズの制限がある。(記録時間にして、最大解像度で25分ほどに相当)

音声は、ボディ内蔵のステレオマイクを通じて48 kHzのサンプリングレートで記録される。内蔵マイクに代えて、外部マイクを使って記録することができる。K-1 はヘッドフォン端子も備えており、マイクがどんな音を拾っているか、ビデオ再生時にどんなふうに聞こえるかを確認できる。内蔵のマイクは、ボタンを押す音やAF音を拾ってしまうため、外部マイクやビデオ撮影向きの音声レコーダ を別途用意することをオススメする。指向性の強い録音に関しては、我々は Rode社のVideoMic Proを使って行った。この外部マイクは、ホットシューマウント部にショックアブソーバが付いている。

ZOOM ズーム リニアPCM/ICハンディレコーダー  H6

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RODE VideoMic Pro Rycote コンデンサーマイク 004195

RODE VideoMic Pro Rycote コンデンサーマイク 004195

K-1 は、FullHD(1920x1080) 解像度ではフレームレートが 24p, 25p, 30p, 50i , 60i での録画に対応している。HD (1280x720)解像度の場合には、50pと60pに対応している。奇妙なことに、720pモードではこれより遅いフレームレートが選択できない。これらの仕様は特別優れているわけではないが、現行のCanonやNikonのフルサイズ機に比べて特別悪くもない。例えば、Nikon D810 は1080/60pができる一方、Canon 5D III や 5Dsはいずれも1080/30p ( 60iではない)に制限されている。 これらの競合機種では、RAWでのビデオ撮影が可能というアドバンテージがある。K-1ではRAWでのビデオ撮影はできない。

コントロールパネルと設定

INFO ボタンを押すと、ビデオ撮影に特有のコントロールパネルにアクセスすることができる。この設定は、ほぼメインメニューから設定可能な項目と同一だ。録画中に適用可能なカメラ内での画像処理設定には、 シャドウ・ハイライト補正、デジタルフィルター、録音レベル、風切音低減が含まれている。

また、録画して"いない"間のオートフォーカスのタイプを設定できる。フォーカスアシストをONにするか、どちらのSDカードスロットにビデオを保存するか、といった設定が可能だ。静止画撮影モードと異なり、ビデオ撮影モードでは、どちらのSDカードスロットを利用するかをユーザが決めることができる。

コントロールパネル、メインメニューのスクリーンショット(原文を参照のこと)

露出モード

露出モードは、自動(Pモード)、半自動(Avモード、Tvモード、TAvモード)、手動(Mモード)を選択できる。ISO は、Mモードに限って、100 ~ 12,800の間で設定可能だ。 Mモード以外では、カメラはユーザに現在のISOを教えてくれない。

露出設定は、録画前・録画中のいずれのタイミングでも調整できる。すべての露出モードで、±2EVの調整が可能だ。

P, Av, TAv, M モードは、以前のPentaxのボディ(K-3, K-S2, 645Zなど)に備えられていたのと同様だが、シャッター速度優先(Tv)モードに関してはPentax K-1で新たに選択可能となったように思える。

K-1は、メインのモードダイヤルでも露出モードの変更が可能だ。この仕様は極めて利便性の良いインターフェースデザインだと気付かされた。わざわざメインメニュやコントロールパネルにアクセスしなくとも素早く変更できる点で優れている。P, Av, Tv, TAv, または M 以外が選択されている場合には、カメラはPモードになる。

ビデオ撮影時のクロップ

ビデオ撮影モードでは、静止画での撮影フレームに対して、16:9のアスペクト比に合わせるために必要な量よりも少し多めにクロップされる。多めにクロップすることで、(電子式)手ぶれ補正の効果が改善されている。下記画像に、ビデオ撮影時に利用される領域を示した。

f:id:d_ymkw:20160622111301j:plain

(ビデオ撮影に利用されるセンサの範囲)

訳注:電子式手ぶれ補正では、手ブレした時、手ブレした量に応じて赤枠の位置(撮影領域)がセンサの領域内で写り変わるため、結果的に、手ブレしていないように写る。余裕が大きいほど手ブレ補正が可能。電子式手ぶれ補正の原理についてはCanonのページが分かりやすい。

ピント合わせ

K-1 の非録画時におけるピント合わせ方法は、予想以上に安定している。フォーカスアシスト機能と拡大表示機能に加えて、全てのコントラストAFのフォーカスモードが利用でき、高速かつ高精度なフォーカスが可能だ。

フォーカスアシストON/OFFの比較図(原文を参照のこと) 

録画中は、フォーカスアシスト機能や拡大表示機能などこれらの機能は全て使えなくなる。これらの機能に代えて、動画撮影中はシンプルで動作の遅いコントラストAFが利用できる。このコントラストAFは、AFボタンを押すことで実行できる。 この撮影中のフォーカシングは、(画面全体を解析し)精度重視で行われる。しかしながら、 AF速度は遅く、動体をロックオンし続けるにはまるで速度が足りない。そのため、マニュアルでピント合わせがベストな選択だ。Quick-Shiftフォーカス対応のレンズであれば、カジュアルなビデオ撮影をより手軽に行うことができる。というのも、これらのレンズはAF動作中であってもマニュアル調整ができるからだ。

シネレンズ

Pentax用のシネレンズはごくわずかに存在している。具体的には、Samyangから入手可能な"特注品"がある(訳注:高性能なシネレンズがXeenブランドで販売されています。)。もっとも我々は未だ目にしたことがないのだが…。

だが安心して欲しい。簡単にレンズの絞り機構をデクリック(ノイズレス)にするDIYで、マニュアルのPentaxレンズを擬似シネレンズに変えることができる。このテクニックは、Pentaxの一眼レフでビデオ撮影をしたいユーザにとって素晴らしい解決策になる。

ビデオ画質

今まで、645Zを含め最近のPentax一眼レフ機のビデオの画質は、我々を驚かすに値しなかったのだが、K-1では眼を見張るような改善がなされている。

はじめに我々が気付いたことは、同一条件で撮影した場合に、K-1で撮影したビデオは、K-3で撮影したものに比べてシャドウ部のディテールが豊富で、しかもより広いダイナミックレンジを実現していた。この比較にあたって、我々はシャドウ部・ハイライト部の補正は一切行わず、出来る限り"撮ったまま"のビデオを用いている。

K-1 とK-3 の比較例(原文を参照のこと)

どちらのビデオもFA★300mmを用いて撮影した。画角に関して言うとK-1の方が広いため、我々はK-3のフレームサイズに合わせるためK-1の撮影動画をクロップし、アップサンプリングした。切り出したフレームのオリジナルは、このリンク K-1K-3 をクリックしてもらえれば見て頂ける。

K-3は、K-1に比べクロップ倍率の高さとより高い解像度のおかげでより多くのディテールを備える。しかしながら、期待するほどではない。K-1はより正確な色再現性を見せるが、これは十中八九、K-1が35mmフルサイズに近い画角を備えるためにより撮影シーンに合った正確な測光ができるためだ。

とにかく、ビデオ画質が改善していることを確認する別の方法として、撮影した写真とビデオから抜き出した1フレームとを比較する方法がある。我々は実際に、この比較を正確にしてみた。下記作例のスライダーを動かして比較したり、35mmフルサイズで撮影した1920x1080 (JPEG 2M)の写真 と、FullHDで撮影したビデオの1フレームとを原寸サイズで確認してほしい。

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静止画

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動画から1フレーム切り出し

ビデオの1フレームに含まれるディテールやダイナミックレンジは、静止画に比べ得ると見劣りする。しかしながら、その差は過去の機種で見受けられたほど顕著なレベルではない。この改善を我々はとてもうれしく思っている。我々の過去のK-3のレビューのビデオ撮影に関するページを確認してほしい。

手ぶれ補正(Shake Reduction)

2012年以降、Pentaxの一眼レフ機は、ビデオ撮影モードには一貫してセンサシフト式(機械式)手ぶれ補正を搭載してこなかった。このスタイルはK-1でも踏襲されている。ビデオ撮影時の手ぶれ補正は100% 電子式補正によるもののため、悪名高きローリング歪み(動体歪み)が発生する。しかしながら、その点を除けばとても良く機能する。

SR OFF

www.youtube.com

SR ON

www.youtube.com

より良好な手ぶれ補正を得ようとする場合、SIGMAのレンズ内手ぶれ補正(OS)を搭載したレンズを使うことで可能となる。開発者へのインタビューでは、Pentax のエンジニアたちは、センサーシフト式のSRは近年のカメラでは、センサが発するノイズが問題となるため実現できないと主張していた。興味深いことに、我々はK-1に関してはどの撮影モードでも過度なノイズを耳にすることはなかった。

撮って出しサンプル動画

下記の動画は、後処理を加えていない 撮って出しの1080/30pの .MOV ファイルだ。D FA 24-70mm を用い、AvモードでF8に設定し録画した。

作例 (原文を参照のこと)

再生できない場合は、.MOV file をここから直接ダウンロードしてほしい。

総合判断

静止画を主として設計されたカメラにも関わらず、K-1のビデオ撮影モードは極めてよく出来ている。K-1のビデオ撮影性能は、とっさのときに役に立つだけでなく、一部のプロフェッショナルな用途であっても使えるのではないかと考えている。我々は、動画クオリティの改善やTvモードのサポートが行われたこと、なによりPentaxが、今回のK-1開発においては動画以外の側面に関しても必要な開発事項が多々あったにもかかわらず、動画撮影機能を無視していなかったことを嬉しく思う。

我々としては、機械式SRや、4k動画のサポート、適切なAFオプションなどのオプションが存在しないことに言及することもできるが、しかしながらそういった機能は現実問題として、異なるマーケットセグメントの(訳注:要するに、もとから動画撮影に特化して設計される)商品に期待されるべきものだ。

リコーイメージング PENTAX K-1 完全ガイド (インプレスムック DCM MOOK)

リコーイメージング PENTAX K-1 完全ガイド (インプレスムック DCM MOOK)

  • 作者: 吉村和敏,大山顕,洲?秀憲,中西敏貴,横木安良夫,大和田良,小林哲朗,茂手木秀行,HARUKI,萩原史郎,佐々木啓太,桃井一至,岡嶋和幸,伊達淳一
  • 出版社/メーカー: インプレス
  • 発売日: 2016/04/28
  • メディア: ムック
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