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世界でいちばん濃ゆい Pentax K-1 レビュー P.16 処理性能と連射モードでの実性能


以下の記事は、PentaxForumsによる

P.16. "Performance and Burst Mode"の抄訳となります。

原文の紹介や、他ページの抄訳については下記ページにまとめています。

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このページの目次

16. Performance and Burst Mode (処理性能と連射モードでの実性能)

我々はK-1のテストを行っている間、連射バッファのサイズ、画像処理にかかる時間、ファイルサイズ、転送速度、一般的な操作など各種項目におけるカメラの性能を評価した。

総合的には、我々はK-1の性能に満足している。概して言えば、PRIME IVエンジンは、今までのPentax機の処理能力を越えている。しかしながら、ごく僅かな項目においては、期待値を下回っている。以下ではその詳細を説明する。

メモリーカードの使用方法

Pentax K-1 は、3通りの記録方法を備えている。

  • "順次" 1枚のカードに記録する
  • "複製" 両方のカードに同じファイルを記録する
  • "RAW/JPEG 分離" 一方にRAW、他方にJPEGを記録する

我々は、多くのテストにおいて、"順次"を選択している。というのも、K-1のハードウェアは同時に両方のカードに書き込めるようになっていない。そのため、"順次"以外のモードでは、記録に必要な時間が長くなってしまう。これについてより詳しくは、以下の連射テストの結果を参照してほしい。

テストには、SanDisk Extreme Pro 64GB (読込速度 95 MB/s、書込速度 90 MB/s) と Extreme Plus 64GB (読込速度 90 MB/s、書込速度 60 MB/s) との組み合わせを用いた。

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ファイルサイズ

K-1の3600万画は、大きなファイルサイズになっている。特にRAWファイルにおいて顕著だ。下表では、基準感度で撮影した場合(すなわち、日中、多くのオブジェクトが画面内に存在するシーン)での典型的なファイルサイズをまとめた。

JPEG RAW HDR RAW RRS RAW
FF 17-22 MB 40-60 MB 100-130 MB 140-160 MB
APS-C 7-9 MB 20-30 MB 50-65 MB 70-80 MB

HDRのRAWファイルやRRSのRAWファイルはフルサイズのイメージを複数含むために、通常のRAWファイルに比べて3, 4倍のサイズになっている。

K-1のDNG形式、及びPEF形式のRAWファイルは、同一の内容を含んでおり、ロスレス圧縮されている。圧縮率は、ノイズレベルが上がるにつれて低下する。そのため、高感度になるほどファイルサイズは肥大化する傾向にある。最高感度ではおおよそ1.5倍にまで大きくなる。

ISO JPEG (MB) RAW (MB)
100 20 42
200 21 43
400 22 44
800 22 45
1600 23 46
3200 24 49
6400 25 52
12800 26 55
25600 26 59
51200 28 62
102400 30 54
204800 31 67

多くのユーザーはRAWもしくはRAW+モードに設定すると予想している。このため、"順次"モードで使うには少なくとも32GBのカードを、"複製"モードで同時記録する場合には64GBのカードをおススメする。

16GB 32GB 64GB 128GB
FF の場合
JPEG 820 1649 3280 6560
RAW 320 710 1420 2840
RAW+ 200 400 800 1600
APS-C の場合
JPEG 2000 4000 8000 16000
RAW 640 1280 2560 5120
RAW+ 485 970 1940 3880

現状メモリーカードの値段は値下がりしているため、大容量のカードが必要なことは大きな障害ではない。しかしながら、限られたメモリ容量でCPUリソースの少ない旧型のPCを用いている場合には、K-1の大きなファイルを扱うのはかなりキツイだろう。K-1の購入予定者は、現在の状況に応じて支出計画を練って頂きたい。

PCへのファイル転送

USBケーブルを用いてK-1からPCに直接ファイルを転送してみた結果、MSCモード・PTPモードのいずれであっても約12MB/sで転送されることを確認した。K-3や645Zに搭載されたUSB3のポートを待望していたが、K-1の転送速度は、USB2規格で実現可能な最大速度でさえ大きく下回っている。

K-3では、USB3モードでは30MB/s、USB2モードでは19MB/sの転送速度を記録していた。これらの事実から、K-1内部のハードウェア(訳注: ペリフェラル周りのハードウェア)はK-3よりも遅いものが使われていると考えられる。これには若干がっかりした。

USB3のカードリーダを使うことが、現実的な解になるだろう。カードリーダを使うことで、前述のSanDisk Extreme Pro では公称値通り95MB/sの転送速度を実現できた。UHS-IIカードを使えばより高速なファイル転送ができる。しかしながら、UHS-IIカードはK-1で使う際にはUHS-Iモードとなり、トップクラスの転送速を誇るUHS-Iカードと同程度の性能にしかならないかもしれない。

ファイル書き込み速度

我々は、2つの異なるモードで、K-1がどれくらい速くメモリーカードに書き込めるかをテストした。1つはHDRでの撮影で、もう1つは連続撮影(高速)モードでの撮影だ。どちらのケースでも、FF(35mmフルサイズ)モードでRAW形式に設定した。ファイルは、順次(書き込み)モードで1枚のメモリーカードのみに記録した。書き込み速度は、カードに書き込まれたデータの容量を、アクセスランプの点灯から判断したファイルの書き込みにかかる時間で割って算出した。すべての結果は、5回テストした結果の平均値をとっている。

HDRモード 連射モード
Extreme Pro 32 MB/s 26 MB/s
Extreme Plus 30 MB/s 26 MB/s

これらの結果は、我々がテストした高速メモリーカードの性能を大きく下回っていることを示している。しかしながら、興味深いことに、Extreme Proカードは、HDRモードで100MBを越える巨大ファイルを保存する場合により高い性能を示した。我々は、SanDiskの最高ランクのカードでは、それ以外よりも最低保証速度がわずかながら速いためだと考えている。(どちらのカードも最低保証速度としてU3規格で定められている30MB/sをサポートしている。この数値は最低保証速度の上限を決めるものではない。)

連写モードテスト

順次モードでのテスト

K-1はPentaxにとって初のフルサイズ機となるため、我々は、連写モードでどれだけ撮影できるかを熱心にテストした。

我々のテストでは、連続撮影(高速)モード(FFで4.4fps、APS-Cで6.5fps)で、マニュアルフォーカスとし、明るい日中においてフレームレートが落ちるまでシャッターを切った。

下表は、2枚のSDカード、それぞれについての結果を示しチエル。すべてのテストは、2回行い、その平均値を記載している。(とはいえ、すべての項目において、2回のテストのいずれにおいてもほぼ同一の値が得られた。)

この結果を読むにあたっては、実際の撮影においては、我々のテスト結果とは(いくらか)変わってくることを心に留めておいてほしい。ファイルサイズは撮影するシーンによって変わってくるため、ディテールの少ないシーンではより多くの連射が可能になる。その逆もまた然りだ。

Extreme Plus での連射性能 (順次モード)

FPS低下までの
撮影枚数
FPS低下から
アクセスLEDが付いている
時間
FF(35mmフルサイズ) ====== ======
JPEG 97 31 秒
JPEGレンズ補正あり 22 12 秒
RAW 16 24 秒
RAW+ 12 24 秒
APS-C(クロップ) ====== ======
JPEG 194 25 秒
JPEGレンズ補正あり 67 16 秒
RAW 54 32 秒
RAW+ 40 36 秒

Extreme Pro での連射性能 (順次モード)

FPS低下までの
撮影枚数
FPS低下から
アクセスLEDが付いている
時間
FF(35mmフルサイズ) ====== ======
JPEG 97 31 秒
JPEGレンズ補正あり 22 12 秒
RAW 16 24 秒
RAW+ 12 24 秒
APS-C(クロップ) ====== ======
JPEG 216 24 秒
JPEGレンズ補正あり 67 16 秒
RAW 54 32 秒
RAW+ 40 32 秒

このテストでは、2枚のカードで一貫して大きな違いはなかった。K-1は極めて大きなバッファを備えており、JPEG・APS-Cクロップモードでは、連続撮影 100枚の壁をゆうに超えている。

対照的に、RAW やRAW+での連射枚数はかなり少ない。書き込みにかかる時間はほどほどに長いが、耐えられないほどではない。

ところで、より興味深いことに、連射性能に多く行く影響する設定項目は、JPEGモードでのディストーション補正であった。この設定をオンにすると、JPEGモードであっても連射枚数は大幅に低下した。最適な性能を得るためには、この設定はオフにしておくことを推奨する。

話は変わるが、K-1に関して素晴らしいことの1つは、ディストーション補正をオンにしない限り、連射を終えると(書き込み完了まで待つことなく)即座に、メニュー画面やライブビューにアクセスすることができる。これは極めてユーザビリティに優れている。というのも、即座に設定を変更することが可能だからだ。閑話休題。

複製モードでのテスト

続いて、複製モードでのパフォーマンスを見てみよう。このモードでは、1枚目に記録された画像ファイルを2枚目のカードにコピーする。2枚のSDカードは似たような性能のため、Extreme Proでのみテストを行った。

Extreme Pro での連射性能 (複製モード)

FPS低下までの
撮影枚数
FPS低下から
アクセスLEDが付いている
時間
FF(35mmフルサイズ) ====== ======
JPEG 78 83 秒
JPEGレンズ補正あり 18 32 秒
RAW 13 54 秒
RAW+ 12 70 秒
APS-C(クロップ) ====== ======
JPEG 80 58 秒
JPEGレンズ補正あり 63 42 秒
RAW 36 72 秒
RAW+ 28 75 秒

このモードでは、書き込み時間が2倍以上かかるとともに、連射可能枚数が低下した。我々は、K-1のハードウェアが2枚のカードに同時にアクセスできないという事実に落胆した。というのも、他のモード(単写やブラケット撮影など)においても同様に性能低下が起きるのだ。

RAW/JPEG分離モードでのテスト

Extreme Pro での連射性能 (分離モード)

FPS低下までの
撮影枚数
FPS低下から
アクセスLEDが付いている
時間
FF(35mmフルサイズ) RAW+ 11 29 秒
APS-C(クロップ) RAW+ 30 40 秒

分離モードもまた、わずかに性能低下が生じる。とはいえ、複製モードよりはその差は小さい。

結論として、K-1は満足の行くバッファサイズと連射性能を備えているが、動体撮影向けに設計されていないことは明白だ。動体撮影を行いたい場合には、APS-Cクロップモードで6.5fpsというまずまずのフレームレートを実現できる。

一般的な性能

Pentax K-1は、例えば、起動や画像処理など日々のタスクにおいて極めて素早く動作する。我々のテストでは、撮影後、再生モードに移るまでの動作がPentax K-3よりも大幅に速かった。RAW+モードでさえもだ。その他の計測値は似たり寄ったりといったところだ。

Pentax K-3 II Pentax K-1
一枚目を撮るまでの起動時間 0.9 秒 1.3 秒
ライブビューをONにするまでの起動時間 1.5 秒 2.2 秒
ファイルの削除 1.3 秒 1.3 秒
JPEG記録時間
(再生画面に移るまで)
1.1 秒 1.2 秒
RAW記録時間
(再生画面に移るまで)
2.6 秒 1.2 秒
RAW+JPEG記録時間
(再生画面に移るまで)
3.0 秒 1.2 秒
レンズ補正処理
(1ファイル)*
(全ての補正) 1.1 秒 (ディストーション補正) 0.8s
(全ての補正) 1.1 秒
明瞭補正 N/A 2.3 秒
肌色補正 N/A 1.4 秒
RRS (FF)* Not measured 3.8 秒
RRS (APS-C)* 1.5 秒
シャドウ・ハイライト補正* 0.1 秒 0.1 秒

*の項目は、ファイルを保存するまでにかかる時間

一般的に言って、通常の利用では処理時間が気になることはない。あえて言うと、ファイル削除がより高速に行われと嬉しい。

シャッター音

大型のシャッター機構を搭載しているにも関わらず、K-1のシャッター音は、極めて静かなシャッター音を備える APS-CのK-3よりも特段大きいということはない。

以下のビデオでは、シャッター音に加え、撮影時のSRの動作音やライブビューでの絞り機構のアクチュエータの動作音を聞くことができる。アクチュエータは、周辺の明るさや撮影モードに応じて、ライブビュー画面でレンズの絞りを変化させる。これらの音は、撮影者であれば容易に気付くが、離れて立っている人には聞こえないだろう。

www.youtube.com

ライブビュー

ライブビューは、フォーカスアシストをオンにしている状態であっても、常にスムーズなフレームレートで動作する。気になる点としては、ユーザがコントロールパネルやメインメニューにアクセスしようとするたびに、ミラーが動作する。この動作は、ユーザの操作を僅かに遅れさせるのに加え、シャッターとミラー機構に余計な負荷をかける。

バグと問題

我々は、K-1に関する問題を発見することが出来なかった。

唯一のソフトウェアの不具合/非互換性は、70-200mm EX DG や EX DG IIなどの特定の古いSIGMA製レンズを用いるとフリーズするというものがあった。特定のSIGMA製レンズでは、ライブビューでのオートフォーカスが上手く効かないというものもある。もっとも、これらは、SIGMAによるレンズのファームウェアのアップデートによってのみ解決する問題だろう。

総合判断

高解像度のカメラとしてみると、Pentax K-1は多くのテスト項目で大成功を収めている。クロップモードでは高速なフレームレートと、極めて優秀なバッファ性能を実現している。35mmフルサイズモードにおいても同様だ。カメラのレスポンスは心地よく、使う楽しみを確かに備えている。

最も落胆した点は、USB転送速度が遅いことと、カードへの書き込み速度が比較的遅いことだ。後者は、連写モード以外ではユーザへの影響はないのだが…。GB単位の3600万画素のファイルをPCに取り込むには、12MB/sという転送速度では多大な時間がかかる。我々としては、外付けのUSB3のカードリーダーをおすすめする。我々としては、少なくとも3年前のK-3と同程度の転送速度を実現して欲しかった。K-3のUSB接続のほうが、2倍以上速い。

K-1で利用可能な高速なSDカードを用いることはカードリーダでの転送速度を速くすることができるというメリットもある。とはいえ、K-1の連写モードで必要とされる書き込み速度は、UHS-I U3規格のカードであれば十分なのだが。

また、我々としては、2枚のメモリーカードに写真を記録する際のパフォーマンスも、より高速であることを望みたい。

最後に、これだけは言っておく。3600万画素のファイルを扱うには、大容量のSDカードと高速なコンピュータが必要だ。

管理人蛇足

Lightroomでの現像時に効いてくるパーツについてのまとめ。

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  • 作者: 吉村和敏,大山顕,洲?秀憲,中西敏貴,横木安良夫,大和田良,小林哲朗,茂手木秀行,HARUKI,萩原史郎,佐々木啓太,桃井一至,岡嶋和幸,伊達淳一
  • 出版社/メーカー: インプレス
  • 発売日: 2016/04/28
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