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171年に1度の月をパキパキに撮ってみた ~誰でも上手く撮れる月の撮影方法~


171年に1度の月
ぼーっとしている間に曇り空に


十六夜が1年に2回くるのが171年に1度、ということで『171年に1度の月』と呼ばれているようなのですが、なんというか旧暦をまず知らないし、100年単位のスパンで物事を考えたことがないので、ピンとこないんですよね…。

とか考えていて、危うく月を撮りそびれるところでした。

与太話はさておき、これまで長らく月を撮ってきたので、これを機に、『パキパキに月を写す方法』をまとめてみる次第です。

35mm判換算1000~4000mmの状態での撮影を色々試行錯誤してきた中で、ふだんのスナップ撮影と異なり、月撮影に特有の「気をつけないとマズい点」がいくつか見つかったので、参考までにこれまでに得た知見を以下にまとめます。

望遠レンズはあるんだけど、なんだか上手く撮れないという方のお役に立てれば幸いです。

171年に1度の月
「171年に1度の月がなんぼのもんじゃい!」とばかりに、
いつも通りパキパキに現像いたしました

撮影編

いわずもがな、とりあえず望遠レンズは必須です。
35mm判換算400mm位あればクレーターを写せます。

が、望遠レンズを買っただけでは、思ったほどシャープな写真が撮れません。というか、自分は、レンズを購入してから1年ほど満足のいく写真を撮れませんでした。

大気の状態などについて

  • 月の高度が高い時を狙う
    • 大気圏のゆらぎの影響を抑えるため
  • シーイング(大気の状態)が良い時を狙う
    • 雲が少ない & 風が吹いていない &秋冬よりは初夏
  • クレーターの立体感を得たい時は、月が欠けている時を狙う
    • 欠けている縁の部分のクレーターが最もクッキリ写る
    • 光がまんべんなく当たってる箇所は影がなく、のっぺりする。特に満月の時とか。
シーイングは、直視では問題ないように見えても、双眼鏡や天体望遠鏡で月を覗くと、大気のわずかな揺らぎが観測出来たりするので要注意です。
 
自然が相手なので、常にこれらの条件を揃えられるわけはないのですが、この辺の条件がそろってない日は、上手く撮れなくても、機材が悪いわけではないと思えるので、精神衛生上チェックをオススメします^^;

 

171年に1度の月
最悪のシーイング例、というか、月が曇り空の中にある状態
(余談ですが、長時間露光してみると月が写ったりします。肉眼では見えないのにネー)

月を撮影し始めたころは、「月はいつでも撮れるじゃん」と思っていたのですが、特定の月齢の月を撮影したいとなると、好条件に恵まれた状態で撮れる機会って、あまりないような気がしています。

機材に関して

35mm判換算1000~4000mmとなると、機材を十分に固定できていない場合、レリーズ動作による僅かな振動や、ミラーショックでも微妙にブレます(マジで)。また、ストラップが風に揺れただけでも微妙にブレて、あとで泣けます。
 
というわけで、手ブレ対策は入念に行った方が良いです。

手ブレ(カメラブレ?)対策

  • 剛性の十分な三脚などを使う
    • 三脚・雲台を用いる場合
      • 耐荷重に注意
      • バランス(重心)にも注意
      • 剛性が足りない部分には、適宜サポーターを使う
      • 三脚を2つ用意して、本体とレンズとを別々の三脚に載せるのも1つの手
    • 天体観測用の赤道儀や経緯台を使う場合
      • 操作性・剛性の両方で満足いく結果を得られる
      • けど、でかいし重いので、おススメは…しないです
  • 一眼レフの場合、ミラーアップ撮影推奨
  • リモコンもしくは、セルフタイマーを使う
  • ストラップをぶら下げない

撮影条件

  • シャッター速度は1/100sあたりを目安に
    • 35mm判換算1000mmを越える場合
      • 1/1000sくらいを目安に。
          ※ (ファインダー内での)月の移動が速くなり、被写体ブレが起きるため
  • MF(マニュアルフォーカス)必須
  • ピントリングを微妙に回して複数枚撮影する
    • 特に、多くの撮影用レンズでは、無限遠付近のピントリングの回転角が小さいので、目視ではピントの移動が分からない程度の微妙な回転でも、写りが変わってきます。
  • RAW撮影
    • 現像時に大きく各種パラメータを調整するため
「普通の望遠レンズなら、ここまで気を付ける必要ないでしょ?」と言われてしまいそうですが、これらの要因による影響は確実に存在するので、気をつけられることは気をつけた方がいいかもしれません。

というか、一旦これらの条件を揃えてBESTな状態に持っていかない事には、レンズの性能限界なのか、自分の腕・レンズ以外の機材が問題なのかを見極められず、『何が問題でシャープに写らないのか(=何を改善すればシャープに写るのか)』を見つけられません。つらぽよ。
 
詳しくは、天体望遠鏡メーカ BORGの中川氏が書かれた下記記事が参考になります。

現像編

自分の場合、以下の記事を参考に、というか、だいたい同じようにやっています。

月面写真はふつうに現像すると、双眼鏡や天体望遠鏡を介して肉眼で見た時に比べて、コントラストが圧倒的に足りません。

というわけで、現像時にちゃちゃっと整えてしまいましょう。自分の場合、以下のような感じで実践しています。

  1. いらない部分(真っ黒な空の部分)をトリミング
      ※ ヒストグラムで月面の輝度分布が見えるように
  2. 以下の手順で、ヒストグラムをなるべく左右に広げる
    1. コントラスト上げる
    2. ハイライト、ライト、ダークを目的とする見せ方に合わせて好みで調整
    3. シャドウを微調整
        ※ 真っ黒な空を真っ黒に。
  3. シャープ、明瞭度を微調整
171年に1度の月
現像時の調整になれてくると
撮影時の条件が悪くても、ある程度はカバーできるように
(今まで説明してきたのは一体…)

だいたいこんな感じで出来上がりです。
なんだか長々と書いてしまいましたが、撮影準備→現像まで、慣れてくると10分程度で終わります。

良い月見を。

作例?

35mm判換算4000mmで撮った写真を、試行錯誤の過程とともに時系列で以下にまとめています。なんで、上記の撮影機材を整えるに至ったかが伝わればいいなぁと思ったり思わなかったりしますが、文章下手ですしお寿司。なお、このときの掲載写真は、全てJPEG撮って出しです。
また、このときの撮影写真のうちのいくつかを、上記現像方法で現像したものを以下に掲載しています。現像の有無でどの程度変わるかの参考までになれば幸いです。

追記

管理人は、天体写真に関しては素人なので、ほんとはこういう記事を書くには、もっと適任の方がいるのは分かってるのですが、撮影機材の準備~現像(アウトプット)まで一貫して説明している記事がないので、書いてみました。
 
もっと上手く撮れる方法をご存知の方におかれましては、こそっと教えて頂けると嬉しいです。