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LOVE PENTAXYZ

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『(DAレンズが)フルサイズで使える』という言葉をどう定義するか

POEM

オーサカ・ロード


前口上

DAレンズがフルサイズでも周辺部まで光を通す(フルサイズで使える)ことについて、巷で色々と疑義が生じている状況になんだかモヤモヤしたものがあり少し時間をとって改めて考えてみた。
 
おそらくは、『(DAレンズが)フルサイズで使える』という言葉の曖昧さ(個々人による解釈の違い)が問題の根本にあるように思えるので、その定義について個人的考えを述べたいと思う。
 
なお、先に結論らしきものを述べると、『フルサイズで使える』といったときの「使える」を定義することは極めて難しい。というのも、光学的(物理的)には明確な答えが出せないので。
 

そのため、本記事では元ミラーレンズの開発者としての経験をもとに、あくまで個人的解釈と理解を提示したいと思う。なお、ミラーレンズと一般の撮影用レンズは、物理学的には同じ光学に基づくデバイスとはいえ似て非なるものである。物理学的におかしなことは書かないよう注意はしたが、多分に推測に基づくものであり、記事の内容が間違っている可能性があることをお断りしておく。(ひどい

 
この記事が何かしら読者の方に良い影響を与え、DAレンズのフルサイズでの利用を思い思いに楽しむなど有意義な方向に物事が進むばいいなと思う。

APS-C用レンズをフルサイズで使ったときに起きること(一般論)

 

レンズ設計時の想定レベルによって生じ得る描写(撮像面の写り)の違いを一般論として列挙してみた。
各描写について、()内には物理的に想定される状況を、※には設計時の開発者側の想定レベル(推定)を記載した。
 
なお、以下では「結像」と「解像」は物理学用語として明確に使い分けている。
  • APS-Cの範囲外はほとんどケラれる
    • (光が届かない)
    • ※APS-C専用で設計されていればこうなり易い
  • APS-Cの範囲外は結像しない
    • (光は届くが、明らかに像を結ばない)
    • ※APS-C専用で設計されていればこうなり易い
  • APS-Cの範囲外で結像する
    • (光が届き、像を結ぶ。フルサイズの範囲でほぼケラれがない。)
    • ※設計段階でフルサイズでの利用に配慮している可能性がないわけではない
  • APS-Cの範囲外でパッと見うまく結像する
    • (光が届き、像を結ぶ。フルサイズの範囲でほぼケラれない。F値によって、周辺減光が少ない。)
    • ※設計段階でフルサイズでの利用に配慮している可能性がある 
  • APS-Cの範囲外で良好に結像する
    • (光が届き、像を結ぶ。F値によって、APS-C範囲外でも、歪曲・色収差・解像力・周辺減光が少ない)
    • ※設計段階でフルサイズでの利用に配慮している可能性が高い
  • APS-Cの範囲外で開放から良好に結像する
    • (光が届き、像を結ぶ。開放からAPS-C範囲外でも、歪曲・色収差・解像力・周辺減光が少ない)
    • ※節子、あかん。これはもうフルサイズ用レンズや。
上のリストは
 ・上に行くほど、フルサイズを想定していない可能性が高く
 ・下に行くほど、フルサイズを想定している可能性が高く
なるように並べている。

何をもって「使える」とするか

個人的に、上記リストの3段目(APS-Cの範囲外で結像する場合)以降は、フルサイズで「使える」と呼んでいる。
(余談ながら、別記事などでは、これをもって「イメージサークルを備えている」とも呼んでいる。)

実際問題としては、このレベルの性能では利用できるシーンは限られてしまうため、使い物になる(すなわち、使える)と言い切るのはなかなか厳しいものがあるが、中央部が良好に結像し、周辺部が結像しているなら、写真全体としては1枚の絵になるので、撮影者次第で使いみちがないわけではないので、「使える」と呼んでいいだろうと考える。

また、これは極めて個人的な感傷ではあるが、このレベルでも「使える」と呼ぶのは、フルサイズでの利用を配慮してくれたのかもしれないことに対する開発者の方々への努力への労い感謝の想いもある。
 
 
※余談ながら、オールドレンズでは(現代の感覚では)周辺部がまともに結像しないものもある。そのようなオールドレンズも発売当時は実用されていたことを考えれば、「使える」の定義を周辺部の性能で決めることはナンセンスと言って構わないと考える。